暖炉と薪ストーブとの違い|ダイドー不動産

暖炉とは

レンガや石材などの資材を使って、建物と一体に作られた炉のことを言います。石炭や薪を入れて燃やすと、炎の放射熱によって部屋が暖まる仕組みで、煙は壁の中を通る煙突から外に排出されます。部屋の中で焚き火をするような感覚で使うイメージです。

メリット

存在感のあるインテリアとして、部屋をおしゃれに演出できる点が魅力です。またキャンプの野外調理のような感覚で、料直火で調理できるのも醍醐味といえます。薪を使う代わりに電気代や灯油代がかからないのもメリットです。災害時や停電が起きた際にも明かりや調理、暖房として使えます。

デメリット

暖炉は構造上、煙とともに熱が煙突から出てしまうため、室内を暖めるのに時間がかかります。暖炉の煙突は、炉とレンガが一体化しているため煤が落ちにくく、煙突掃除を業者に依頼する場合のコストも考えておかなくてはいけません。煙突の煙を気にする近隣住民への考慮や、子どものやけどなどにも注意が必要です。

薪ストーブとは

薪を燃やして部屋を暖める暖房器具です。鉄製で箱型の本体に扉が付いている密閉式が一般的ですが、扉のない開放型のものもあります。炎の熱エネルギーは、遠赤外線として薪ストーブを中心に広がる輻射熱(ふくしゃねつ)で部屋全体を暖めます。「熱風が直接当たるのが苦手」という方にも、心地よい暖房でしょう。

メリット

薪ストーブで部屋を暖めながら、上に鍋を乗せれば同時に料理もできますね。料理ができあがる様子を、リビングで時間を過ごしながら家族と一緒に見られるのも素敵です。また、地震や災害でライフラインがストップした場合でも、薪があれば暖がとれるので安心です。

デメリット

薪ストーブのデメリットは、初期費用が高いことと管理に手間がかかること。ストーブ本体、炉代、煙突などの購入・設置工事費用をすべて含めると100万円前後かかります。また、燃料となる薪の保管場所や、煙突掃除・灰の片付けなども必要です。エアコンやヒーターと比較して、暖かくなるまで時間がかかるというデメリットもあります。

煙突なしで設置できる暖炉

●ガス式暖炉

ガス式暖炉は、空気をファンで取り込み、燃焼させて室内に送り出す仕組みです。ガス管の接続が必要なため、壁取り付けタイプや床置きタイプなど、固定する製品が多く販売されています。スイッチ1つですぐに火がつき、早く暖まるのが魅力ですが、二酸化炭素が発生するので換気が必要です。

●液体変性エタノール式暖炉

液体変性エタノールが燃焼すると水と二酸化炭素に変化し、暖まった水が水蒸気となって部屋を加湿してくれる効果もあります。ただし二酸化炭素が発生するため、換気が必要です。1Lで約4時間、1時間あたりのコストは180円ほどです。燃やしているときは無臭ですが、自然消火時は少しにおいが気になるかもしれません。

●バイオエタノール式暖炉

バイオエタノールとは、とうもろこしやサトウキビといった植物由来の液体燃料のことを言います。電気やガスを使わず、実際に炎が出る暖炉を楽しめるのが魅力ですが、二酸化炭素が発生するので定期的な換気が必要です。10L約4,400円で、1時間あたり110円~200円ほどのコストで使用できます。

●電気式暖炉

火を使わない電気式暖炉は、炎のゆらめきを電気で再現し手軽に本物の暖炉のような気分を味わえます。ガスや煤も発生しないため、煙突の手入れも不要です。安いものなら1万円程度で購入でき、デザインが豊富なのでインテリア性を求める人にもおすすめです。

その他暖房器具

●ペレットストーブ

薪ストーブと形状は似ていますが、木質ペレットを燃料とする暖房器具です。ペレットストーブは煙突ではなく壁に横出しの排気筒を設けます。薪ストーブよりも煙が少なく、薪の調達も不要なので手軽に使用できます。

暖炉にかかる費用の目安

●煙突や暖炉の設置費用
暖炉本体は、60万円前後から購入可能です。煙突設置の費用などを含めると、トータルで200万円ほどかかります。サイズや材料にこだわったオーダーメイドの暖炉だと、さらに費用がかかるでしょう。

●薪の購入費用
1束500円の薪を1日に3束使用する場合、月に4万5,000円ほどかかります。

●メンテナンス費用

暖炉の煙突内部には煤などの汚れが溜まるため、1シーズンに2~3回の目安でメンテナンスが必須です。

専門業者に依頼する場合、地域によって異なりますが、1回2万~5万円が相場と言われています。

施工する際の注意点

暖炉の施工時には、煙突を設置する空間や近所迷惑にならないような高さを確保する必要があります。
煙突は壁に埋め込むので一度設置したら移動できません。設計の段階で十分な検討が必要です。

雰囲気のある暖炉や薪ストーブにはとても憧れますよね。
設置コストや維持費などを考え、自分にあったものを選んで家族がゆったり過ごせる空間を作りましょう。

投稿日:2023/01/25   投稿者:-